【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?
バスケやってて、無駄に身長の高い俺は、感情がすぐに顔に出る姉貴とは正反対で、尚且つ無口。
自分でも、理解してる。
けど、何が良いんだか、放課後の体育館に集まってくる女達はこぞって、俺の名前を呼んで来る。
「きゃー!凪月くーん!」
「格好いいー!」
なんなんだよ、その黄色い声は。
一体どっから出てくんだ。
普段はスカート穿いてても、平気で足広げて座ったりとか大口開けて笑ったりしてんの、知ってんだけど…。
「おら、凪月、呼び出しだぞ」
「………たりぃ……」
そう言いつつも、とりあえずは指定された場所に行って、何時も通りのやり取りをする。
「凪月くん!好きです!付き合って下さい!」
「…悪いけど、無理」
「…っ。好きな人がいるの?」
「…そういうの、あんたに聞かれても答える義務ないけど…」
最低だと言われても良い。
冷徹だと言われても。
っていうか、逆にそう思われたい。
俺が、俺のことを知っててくれればいいのは、姉貴ともう一人…陽菜さんだけだから。