【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?
「わりぃわりぃ」
「もー!…って。あれ?」
「あ?なに?」
「あれ。叶野せんぱいじゃない?」
「あ…」
吉澤の指差す方を見ると、そこには陽菜さんがこっちを向いたまま立ち尽くしてて。
その様子があまりにもおかしかったから、そっちに行こうとした。
でも、それを察知したのか、陽菜さんはくるりと回れ右をして去って行ってしまう。
それも、滅茶苦茶ダッシュで。
「…吉澤、わりぃ俺帰るわ…」
「はいはい。じゃあ…頑張ってね!」
そう笑ってくれた吉澤に軽く手を振って、俺は陽菜さんの走って行った方に向かう。
中学時代、陸上部だった陽菜さんは足が早い方だけど。
現役バスケ部、舐めんなよ…。