【短】宣戦布告なら、受けて立つけど?

相変わらず、陽菜さんの瞳からは涙がぽろぽろと溢れていて。
それを何度も掬い上げては、頬を撫でた。


「無理して笑ってるとこ。いっつも一人で努力してるとこ…ほんとは誰よりも弱いとこ」

「……ばか…」


言葉とは裏腹に、どん、と抱きつかれてそれを受け止めた俺は、すぐに陽菜さんの背中に手を回して腕の中に閉じ込めた。


「もうさ、…観念して、俺のもんになっちゃえよ…陽菜さん見てっと不安で仕方がねぇ」


そう告げると、びっくりした顔をした陽菜さんが俺の顔を伺う。


「…彼女は?」

「彼氏に捧げるプレゼント選びに付き合っただけ」

「…最悪…」

「なんでだよ?」

「マジで最悪。ヤキモチ妬くとかマジでさいてー!」

「それ、自分じゃん。俺じゃねぇし」

「凪月のせいでしょ!」

「なんで、逆ギレてんだ」

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