片思い終着駅



「…い……か……おーい、ののか?」

ふと現実に戻る。
目の前には心配そうにしている、つばさくんの顔。

…あれ…?

「つばさくん、疲れてる…?目の下にクマが出来てるし、肌の調子も良くない…?」

大学生の春休みは、2ヶ月以上あるのに、ナンバーワンホストは年中無休で忙しいんですね。

「…気付かれちゃったか〜。ちゃんと、クマ隠してきたつもりなのに。」

そう言いながら、自分の目元を撫でる。
今のつばさくんは髪を明るい茶色に染め、ボブカットにした。

つばさくんは、しょっちゅうヘアースタイルが変わる。オシャレな人は大変だね。

「つばさくん、今の髪型も似合ってるよ。…ホストっぽくないけど!」

そう言うと、いつものくしゃっとした笑顔で笑っていた。

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