片思い終着駅


誰もいない家を出て、大学に向かう。
一人暮らしも4年目に突入して、この生活も慣れっこだ。

大学の近くにアパートを借りたため、満員電車に揺られることなく、快適に通学できている。

春の暖かい風が頬を包み込む。
こんな日は講義なんかにでないで、お花見でもしたい。

なんて不真面目なことを考えているうちに大学に着く。


「おはよ、ののか。」

あたりに響く女の子の声の中から、落ち着く彼の声が後ろから聞こえる。

「おはよう、つばさくん。」

わたしの友人、永田つばさ。
184㎝の高身長の男の子。」

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