片思い終着駅
「ののかちゃん。つばさのあれ、照れてるのよ。」
こっそりと耳打ちで教えてくれた牧田さん。
初めて見たつばさくんの一面。
かっこいいだけじゃない、可愛いところもあるんだね。
「しっかし、つばさはいい女の子に巡り会えたわね〜!見かけで判断しない女の子。こんなオネエなわたしとも普通に話してくれる子、なかなかいないわよ〜!」
牧田さんはそう言うと、わたしの頭にラップを巻き、タイマーをセットした。
そして、待っている間にどうぞと、アップルティーを淹れてくれた。
店内には、わたしたちしかいない。
クラシック音楽が店内に心地よく流れている。
店内の雰囲気といい、温度といい、心地よすぎてわたしは眠ってしまった。