片思い終着駅
4.友人と似ている人
眠りから覚めたときは、ちょうど頭に巻かれていたラップを外されているところだった。
「あら、起こしちゃった?ごめんね?」
牧田さんが優しく声をかけてくれる。
「いえ!心地よかったので、つい寝てしまって…!」
「あら、本当にののかちゃんは嬉しい言葉を言ってくれるのね」
ニコニコ笑顔の牧田さんに連れられ、カラー剤を流してもらうためにシャンプー台へ。
シャンプーも気持ちいい…。
つばさくんに、こんなにいい美容室に連れてきてもらって良かったなぁ。
そんなことを考えているうちに、シャンプーも終わり、再びカット台へ。
ドライヤーで丁寧に乾かしてもらうと、新しい自分が鏡に映っていた。
「まぁ!やっぱり似合うわね!このカラー!」
わたしの髪色は、真っ黒から、かすかにくすみがかったグレージュになっていた。
心配していた髪の毛の痛みも全くない。
「ののかちゃん、最高に可愛いわ!」
カットモデル用の写真を何枚か撮られた。