片思い終着駅
「ののか?」
中庭に向かう途中、つばさくんに会った。
「講義室、そっちじゃないよ?」
何とも言えない表情をしているわたしを見て、つばさくんは察知してくれた。
「じゃあ、講義サボっちゃおっか」
唇に人差し指をあてながら、そう言うつばさくん。
コクンと頷くわたし。
そして、つばさくんはわたしの手を握り、ゼミの研究室に向かった。
2人でくるのは、去年の文化祭以来。
手からつばさくんの体温が伝わり、鼓動が早くなる。
ゼミの研究室に入ると、つばさくんはガチャっとかぎをかけた。