片思い終着駅


「邪魔者が入ってこないようにね」

そう言って微笑んだ。


2人でソファーに腰掛けた。
しばらくの間、沈黙が続いた。

「あっあのね、つばさくん、わたし…「どうしたの、今日の格好」」

わたしの言葉に重ねて、つばさくんが話す。

「オシャレしてきて、どうしたの?デート?」

急に恥ずかしいことを聞かれて、わたしは思わず立ち上がった。

「デッデートする相手なんていませんからっ!これは、つばさくんの隣に立つなら、少しでも似合う人でいたいから!…っ!」

時すでに遅し。
わたしは勢いに乗って、つい言ってしまった。

恥ずかしすぎて、つばさくんの顔を見られない。床とにらめっこをするわたし。

すると、背中に温かさを感じた。


< 61 / 63 >

この作品をシェア

pagetop