儚い記憶
「今日から頼むな!あっこにおるのが明菜とさくらっていう子だから。明菜が今日はお前を担当するから挨拶しとき」

背後から店長の声が響く、きっと新人のボーイさんに紹介しているのだろう。
振り返ると目があったので立ち上がって会釈をした。

「今日からなんですね。さくらです、よろしくお願いします。えっと…」

「はじめまして、優星です」

背はおそらく175センチは超えている…のだろうか。
私が身長148センチという特別低いせいかとても高く見えた。
くっきりとした顔立ちのいわゆるアイドル顔の彼に、紺色のベストとスーツがよく似合っていた。
こういうのを今時のモテ系というのだろう。
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