プロポーズは突然に。
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9年前、初めておまえを見た瞬間からずっと俺の心の中にはおまえがいた。
名前も知らない、知りようもない。
ただ…考えられないほど残酷な状況の中、凛としていたその姿は俺の心に深く残った。
5年前、参列した葬式で再びおまえを見つけた時も…凛としていた。
気丈に、涙一つ流さず、前だけを向いていた。
ユリのように美しくて強い。そんな印象。
でも、きっとその何倍も…儚くて、脆い。
その時知ったのは父親と苗字が違うということと、母親の職業。
それ以外の情報を得ることはできなかった。
捜しても見つからない、見つけようもない。
迫る結婚までのリミット。
もう諦めていたときに…また出逢えた。
あの頃と変わらない、おまえに…また逢えたんだ。
これを運命と呼ばずになんと呼ぶ?
──やっと手に入れた。絶対に逃がさない、離さない。
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