プロポーズは突然に。
目が覚めて隣に誰かいるなんて何年ぶりだろう。
思い出せない程…遠い昔。
「…睫毛こんなに長いんだ。肌もツルツルだし…」
そんなことをポツリと呟いてしまうほど彼は寝顔すら綺麗で、目を離すことができない。
―――ピピピ、ピピピ、ピピピ…
暫くすると響くアラーム音。
音を辿れば彼の枕元に置かれたスマートフォンで。
その音に反応するように彼がうっすら目を開けると視線がぶつかる。
「おはよ」
「…おはよう」
起きてすぐにそんな挨拶を交わす。
こんなことでさえ今までの私の生活の中にはなかった。
ううん、なくてもいいとすら思ってた。
「よく眠れたか?」
「…うん」
「そうか。良かった」
自分でも驚くほどよく眠れたんだ。
それは、寝不足だったからかもしれないし、少し酔ってしまったからかもしれないし、
…温かかったからかもしれない。