プロポーズは突然に。
着替えとメイクとヘアセットを一通り終わらせ、喉の乾きを潤そうと冷蔵庫に入っているミネラルウォーターを求めキッチンに向かう。
吊り戸棚のないオープンキッチンはとても開放的で、リビングもダイニングもルーフバルコニーの先にある景色までも見渡すことができる最高の空間。
高級感のある天然石のカウンターが部屋全体を重厚な雰囲気に包んでいる。
そんな空間に足を踏み入れると、カウンターチェアに座るスーツ姿の彼が視界に入る。
どうやら朝食を摂っているようだった。
“割り切って生活”
“お互いの生活に口出ししない”
彼のこの発言の真意は未だによく分からないけど、
“自分のことは自分でする”
というのは本当みたいだ。