プロポーズは突然に。
昂る感情
「では、明朝もお迎えにあがりますので。おやすみなさいませ」
「またね、おねーさん。新婚生活うーんと楽しんでね」
「…」
結局一人になる時間なんて1秒も与えてはもらえず、二人に引きずられるように部屋の前まで連れて来られた。
私がちゃんと部屋に入るまで見届けるつもりなのか二人はそこを梃子でも動かない。
理解不能なこの状況に納得なんてできないけれど…
私だって仕事でクタクタなんだ。
別に今すぐ出て行く必要もないしお腹だって空いた。
…もういいや。部屋探しだけコッソリ進めよ。
「…おやすみなさい」
素っ気なくそう伝えてカードキーで鍵を開けた私は、二人を振り返ることなく静かに部屋へと入った。