プロポーズは突然に。
残像と記憶と
────目を閉じると浮かんできた残像の欠片。
父の背中と、優しい言葉と…悲しそうな顔。
そして、プレゼント。
『桃華も一緒に行こう、な?』
『何もしてやれなくてごめんな…』
『これ…欲しがってただろ?』
母の背中と、冷たい瞳、地面に置かれた札束。
…残酷な言葉達。
『いい?あたしに子供はいないの』
『これで一週間は生活できるでしょ』
『手切れ金よ。受け取りなさい?』
愛されれば愛されるほど…
心に深く刻まれたこの残像が更に色を付けて
濃くなって蘇る─────