プロポーズは突然に。






オーナーのその笑顔に救われた気がした。

私はこのままでいいんだって。そう、思えた。




「しかし子供だった桃ちゃんが結婚かー。俺はすっかりオジサンになっちゃった」

「オーナーは昔から何も変わってませんよ」

「そうかなー。俺も婚活しよっかなー」




冗談混じりにそんなことを言いながら集計作業を続けるオーナーを見て思う。


私にとって、ここも温かい場所。大切にしたい場所。


それを与えてくれたのは、オーナーなんだ。




「桃ちゃんと出逢ってもう9年か」


ポツリとオーナーが呟くと、


「そうですね。…早いです」


思い出したように私もそう答えた。



< 159 / 370 >

この作品をシェア

pagetop