プロポーズは突然に。
オーナーのその笑顔に救われた気がした。
私はこのままでいいんだって。そう、思えた。
「しかし子供だった桃ちゃんが結婚かー。俺はすっかりオジサンになっちゃった」
「オーナーは昔から何も変わってませんよ」
「そうかなー。俺も婚活しよっかなー」
冗談混じりにそんなことを言いながら集計作業を続けるオーナーを見て思う。
私にとって、ここも温かい場所。大切にしたい場所。
それを与えてくれたのは、オーナーなんだ。
「桃ちゃんと出逢ってもう9年か」
ポツリとオーナーが呟くと、
「そうですね。…早いです」
思い出したように私もそう答えた。