プロポーズは突然に。
何故か私の胸は高鳴っていた。
“唇が触れ合うだけの無意味な行為”を馬鹿みたいに期待していたんだ。
「…どうしてほしい?」
すぐそばで聞こえたその声にうっすらと目を開ける。
その時、もう唇は触れるか触れないかギリギリのところにあって。
そんな状況でそんなことを聞いてくる彼に言葉を返すことなんてできない。
「どうしてほしいんだよ?」
「…」
「おまえはいつも本音を隠す」
「…」
「言え」