プロポーズは突然に。
納得してない顔で後部座席に座る私の隣には、当然のように律くんが座ってる。
私の顔を覗き込んだ律くんは、今日も愛想たっぷりに笑んでみせた。
「おねーさんさぁ、手間かけさせないで?兄に一人歩き禁止されてるでしょ?」
「今、思いっきり昼だし」
「うん、それ関係ないね。兄の言うことは絶対。服従すべし」
「…面倒くさ」
「違う違う。女の子は、笑って“ありがとぉ”でしょ。で?待ち合わせは駅前だよね?」
…まだ芽衣子に結婚したこと言えていないのに。
いや、何からどう話せばいいのかも分からないし。
それなのに、こんな凄い車で芽衣子の前に現れたら…
……何とか誤魔化そう。