プロポーズは突然に。
「ホームコメディーは家庭の中で起こる日常的な出来事を題材にしてるから観てて楽しいんだ」
「そうか」
「うん。馬鹿らしいシーンとかもいっぱいあるけど、家族っていいなって思えるから。だから…好き」
「…いいな、そういうの」
「ん、」
そこでちょうどDVDは終了し、時計を見るともう21時を回っていた。
もうこんな時間?ご飯の支度しないと…
そう思い、ソファーから立ち上がろうとした私の頭に、ふと律くんの言葉が過る。
“母の手料理とか食べたことなかったからさ、純粋におねーさんの手料理が嬉しかったんじゃないのって話”
………………。
「あの、」
「なに?」
「今日カレー作った」
「ふーん…で?」
「たくさん作ったから…食べる?」