プロポーズは突然に。



切なさを孕みながら紡ぎ出されたその言葉が鼓膜を伝って胸へと届いた瞬間───


張り詰めていた何かがプツッと切れたように堪えていたものが大量に溢れた。





「……~~~~っっく…」






一度溢れてしまえば、制御不能になってしまうから、

だから…堪えていたのに。





本当は、前から気付いてたんだ。

―――私は…彼の前では涙を流すことができるってこと。



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