プロポーズは突然に。
Ⅳ.
素直になれる場所
涙が引いた頃、ベッドルームに移動して、彼と向かい合って横になる。
やっぱり…この部屋の香りは落ち着く。
「…たくさん泣いたな」
ポツリとそう呟いた彼は、まるで子供をあやすように、私の頭を撫で続けた。
アロマライトが照らされた薄明かりの中。
そこで感じた安心感と温もり。
それをもっと、もっと、感じていたくて。
彼の背中に手を回し、服の裾をギュッと掴んだ。
それでも足りなくて…
もっと、もっと、って呆れるほどに温もりを欲しているのに全然足りなくて。
だから、
「―――ねぇ…抱いて?」
絞り出すような声で、そう、呟いたんだ。