プロポーズは突然に。
初めて見る顔
それからの彼の行動は驚くほど早かった。
私の休みを確認した上で、彼もそれに合わせるように休みを取ってくれたのだ。
珍しく今月は連休があったから…ちょうど良かった。
「じゃ、行くか」
「ん、」
手を引かれて向かった先には、もう見慣れたいつもの高級車。
マンションの駐車場に停められたそれに二人で乗り込む。
だけど、いつもと違うのは…彼が運転席にいて私が助手席にいる、ということだ。
そして、チラリと視線を移した先には初めて見る私服姿の彼。
スーツと部屋着しか見たことなかったから、新鮮なその姿から目が離せない。