プロポーズは突然に。
11階でヘアメイクの仕事を終えた私が、昼休憩を利用してここに直行したのには理由があった。
プロポーズ事件の所為で昨日はよく眠れず、案の定今朝は寝坊。
メイクをする時間があまりなく、アイメイクをしないまま出勤してしまったのだ。
まさかそんな日に限って一流化粧品ブランドとの商談に同行するなんて思ってもみなかった私は化粧ポーチすら持ってきておらず…
鞄の中にはファンデーションと口紅のみが雑に突っ込まれているだけ。
普段は全く必要ないと思っている女子力だけど、こんなときに女子力皆無の自分が恨めしくなるものだ。