プロポーズは突然に。





「すごい人…」




ポツリとそう呟いてしまったのは、地酒を買うために帰り道に寄ったお土産屋さんだった。


ここには、ハンドメイドのアクセサリーやオリジナルの食器などもあるらしく、観光客で賑わっていた。





「お酒以外にも欲しいものがあるんだけど、ちょっとだけ見てきていい?」

「あぁ。ゆっくり見てこい」

「うん」





取り敢えず重たいお酒は後回しにすることに決め、私が向かったのは食器コーナーだった。


というのも理由があって、彼の家の食器類は、やっぱり全てブランドもののお高いもの。


だから使う度に、割ったらどうしよう…という不安が拭いきれず、安価な食器を求めていたのだ。



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