プロポーズは突然に。
お皿を数枚カゴに入れ、次はマグカップを求めて店内を歩いていた私は、何となく目に入った黒猫の絵のマグカップを手に取る。
値段を確認するために底に貼ってあるシールを見ていると彼がやって来て、後ろから私を覗き込んだ。
「それ買うのか?」
「んー、買う。安いし、別に何でもいいし」
安さが第一条件の私は、特に選ぶこともせず、何も考えることもなく適当にそれをカゴに入れた。
「じゃあ俺はこれ買う」
「は?」
それなのに、彼がそんなことを言うから思わず自分がついさっきカゴに入れたマグカップを慌てて確認した。
彼が言う、これ、というのは私が買おうとしているものの白猫バージョンで…
またとんでもなくキャラ崩壊している彼に少し眩暈がした。