プロポーズは突然に。
「そんなの買わなくても家に高そうなマグカップたくさんあるし」
「あれは全部貰い物。俺が買ったわけじゃない」
「だからって何でそれなの?」
マグカップコーナーに目をやれば、シンプルなものはもちろんだけど男性っぽいデザインのものだってあるのに。
なのに白猫って。
意味不明すぎるし、真顔だから冗談なのかも分からなくて笑えないし。
「桃華って白猫っぽいだろ?」
不審がる私を見て、真顔だった彼は口角を上げながらそんな言葉を放つ。
…いや、だから意味不明。
「は?どこが?」
「色白で、気紛れで、ツンとしてるくせにたまに懐いてくるとことか?」
「…なにそれ。私は猫じゃないし」
「そうだな。おまえは猫より可愛いから」
楽しそうに、揶揄うように、そんなことを言いながら彼はそのマグカップをカゴに入れた。