プロポーズは突然に。






「俺が買うからカゴ貸せ」

「なんで?自分のものは自分で買う…、」

「いいから」





半ば無理矢理に私からカゴを取り上げ、そのまま歩いていく彼の後ろ姿。


それを見ながら、少しくすぐったくなって…でもその何倍も苦しくなった。





「形に残るものを買ってもらうのは…嫌なのに」





幸せと苦しみの狭間で揺れながら、そう呟いた。



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