プロポーズは突然に。




―――コンコンッ



その音に二人とも反射的に背筋を伸ばす。
当然かもしれない。

一流ブランドの代表、それも冷徹人間だと噂される人物との初対面の瞬間なのだから。



―――ガチャッ




そして部屋のドアがゆっくりと開き、先頭に見えたのは見覚えのある人物で心臓が音を立てる。



あの人……日下さん?




日下さんはドアを開けると素早く中に入り、回り込むようにしてドアを押さえ、頭を下げている。


嫌な予感が頭を過った。

だって日下さんは、昨日あの人と一緒にいた人で…


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