プロポーズは突然に。
「私、ブリブリした女見ると化けの皮を引っ剥がしてやりたくなるんだよね。この世から抹消したくもなるし」
「……?はぁ…」
突然始まった優子さん節に、私の頭は付いて行けずそんな気の抜けた返ししかできない。
「逆に桃ちゃんみたいにサバサバしてて強い子は大好物。どんと来いなわけ」
「大好物って、」
そんな食べ物みたいに…と続ける私に優子さんはアッハハ、と大きく笑いながら私の頭をワシャワシャ~とする。
適当ながらもセットしていた髪の毛を派手に乱された私は、少しムッとした。
「あ、怒った?」
「髪の毛ぐちゃぐちゃです。直してください」
「いいじゃん、ぐちゃぐちゃで。そんな桃ちゃんもいいと思うよ」
「…ぐちゃぐちゃは変です」
「変なとことか弱いとことか。それをさらけ出すのも強さの内だからね」
覚えときな、と付け足して颯爽とエレベーターから降りていく優子さんの背筋はピン、と伸びていて…
強くて美しくて、正に私が理想とする凜とした女性だと思った。