プロポーズは突然に。
残された思い②
どれだけ時間が経ったのだろう。
私からしてみればもう何時間も経ったような気がするけれど、きっと実際はものの数分だと思う。
その数分の間に…私はありったけの涙を流した。
「……私、おかしいんだよ」
静かな部屋に響いたのは自分の声だった。
少し落ち着いた頃、ソファーに移動して座り、彼に体を預けるように凭れ掛かりながら静かに口を開く。
視線を上に向けてみると、彼は表情一つ崩さず、冷静な顔で私の次の言葉を待っていた。