プロポーズは突然に。
「おかえりなさいませ、奥様。どうぞ」
「日下さん、ありがとうございます」
その日も特にいつもと変わらない一日だった。
違うところといえば今日は半休で夕方には仕事が終わったことくらい。
それからあとは…
「おかえり、おねーさん」
「…」
…日下さんが後部座席のドアを開けてくれると、律くんがいたことくらい。
何がそんなに楽しいのか、相変わらずニコニコと笑っている律くんを見て自然とため息が出る。
この人と関わるとロクなことないからな…
憂鬱な気持ちを感じながらも、取り敢えず律くんに軽く会釈をしてから車に乗り込んだ。