プロポーズは突然に。





幼稚園の頃、もう一つ自分はおかしいんだと思う出来事があった。


それは、お泊まり保育でのこと。


就寝時間に何人かの子達が、ママに会いたい~、とか、パパにトントンしてもらわないと眠れない~とか。


そんな理由で泣いている友達を見て驚いたんだ。


私は毎日一人で寝てて、そんなことを思ったこともなかったし、それが“普通”だと思ってたから。



みんなそうなんだと思っていた私には結構衝撃だった。



そして……………一人ぼっちじゃない夜はすごく心地よくて、温かくて。




帰宅後、空っぽの部屋を見て、そのとき初めて“どうして私はいつも一人なんだろう”って。



そう思って…この時、初めて“寂しい”という感情を知り、小さな部屋で泣きじゃくった。


だけど、いくら泣いたってそこには誰もいなくて…


私が一人ぼっちなのは変わらなかった。


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