プロポーズは突然に。





だけど、彼だけはその距離を取らせてはくれなかった。


いつだって強引に私の心の中に入ってきて、自分勝手に振り回して結婚までさせられて。




それでも…


全然可愛くない私を何度も可愛いと言ってくれて、

逃げようとする私をいつだって掴まえててくれて、

狂おしいほどの愛を与えてくれて、

私が求めている何倍もの温もりをくれた。


だから……




「好き、だから…失いたくないから…一緒にいるのが怖い…」





この温もりが冷めてしまう前に。

温かい内に、彼から離れることができればいいのに。

今の弱い私は……そんなことすらできない。



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