プロポーズは突然に。
「俺はずっとおまえと生きていきたい。だから…もう二度とこの手を離さない」
握った手に力を込めながら、愛おしそうにそんな言葉を紡ぐから、溜まっていた涙が頬を伝う。
心にあるのは…喜びとそれ以上の罪悪感だった。
「でもっ、私…汚いこともたくさんして…、んっ…」
私は、彼に想ってもらう資格もないほど汚れきった人間なんだ。
だから、それを伝えようと思ったのに。
それなのに…
私の唇は彼のそれによって塞がれてしまい、それ以上言葉を続けることができない。
私の冷えきった心を溶かすように、彼は唇すらも温かくて…
深く重なる唇がゆっくり離れた瞬間に見えた白い吐息でさえも愛おしいと思った。