プロポーズは突然に。
スマートフォン片手にいくら調べてみたって結局こんな分かりきったことしか載ってない。
“愛がない男女は結婚してはいけない”
とか、
“出逢ったばかりの男女は婚姻契約を結べない”
とか、そんな法律が新しくできたりしてないだろうか…
「書けたか?」
「いえ、まだです…」
「じゃあスマホ弄ってないでさっさと書け」
「…」
彼氏ができたって絶対家には上げなかった私が出逢ったばかりのこの人を家に上げることになるなんて…
一人に慣れすぎている私には息が詰まりそうだ。
あの日突き付けられた婚姻届を持ち歩くわけにもいかず、家に置いたままにしていたのが運の尽き。
何がなんでも今日中に婚姻届を書かせたい彼は家まで着いてきてしまったのだ。
こんな罰ゲームみたいな形で結婚するなんて…
本当にこれでいいのだろうか。