プロポーズは突然に。





それからシャワーを浴び、再びリビングに戻ると、どうやら彼も同じタイミングでシャワーを終わらせたようだった。


少し濡れた髪にTシャツとスウェットというラフな格好をした彼はなんだか新鮮に見える。


…バスルームが二つあると気を遣わなくていいから楽だ。



「何か食べるか?」

「いえ、いいです」




時計の針は22時を指しているというのに全くお腹なんて空かない。


今日はお昼も遅かったし。


まぁ理由はそれだけじゃないだろうけど。




「じゃあ酒は?」

「飲みたいですね。ムシャクシャしてるのでっ!」




また皮肉たっぷりに言ってやった。

でもやっぱり彼には痛くも痒くもないらしい。


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