プロポーズは突然に。





…3回目。


どこをどう見たら可愛く見えるのだろうか。


私は熱燗を飲んで幸せに浸り、現実逃避するような女なのに。


ここはブリブリにありがとうございま~す、とでも言っておこうか。


いや、慣れないことはやめよう。吐き気を催す。ここはスルーで。


それよりもちゃんと話をしないと。




「聞きたいことがあります」

「なんだ?」

「お父様と同じようにあなたも私を知っていたのですか?」

「あぁ。俺も父と一緒に葬式に参列したから」

「だったらどうして始めから言わなかったんですか?」

「言ったら何か変わったか?」

「それは…多分変わりません」

「だから言わなかった。それだけ」




そこまで言うと彼は立ち上がり、キッチンの方へ向かう。


彼が屈んだ先にはビルトインされたワインセラーがあり、その中からチョイスした赤ワインとワイングラス二脚を持って戻ってくると再びソファーに腰掛けた。
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