秘密の恋は1年後
最中の、彼の切ない表情が焼きついている。
それに愛し合うという行為は、思い描いていたものよりも苦しくて、でも、はるかに温もりのほうが強くて、彼への気持ちが言葉にならない声になり、ドキドキしたまま何度も息が止まってしまいそうだった。
「ちょっと寝てもいい?」
「はい」
私を腕で包む彼の呼吸が、次第にゆっくりと深い寝息に変わっていくのを背中越しに聞く。
初めてだったのに、少しも痛くなかった。
彼はすぐにそれに気づいてくれて、「安心して、俺に愛されなさい」と言ってくれたので、身を委ねることができた。
なによりも、初めての連続で、衝撃的な快感しか覚えていない。
そして、彼はそんな時でも時々意地悪で、私を眺めながら余裕たっぷりに微笑んでいたと思う。
本当に、ずっと恋焦がれてきた千堂社長と……。
幸せすぎて、夢でも見ているのではないかと疑いたくなるけれど、背中にある温もりは確かだ。