秘密の恋は1年後
もう少し私が、彼の隣が似合う女性になれたなら、いつまでだって一緒にいたいと思う。
だけど、それがいつになるのかもわからないし、それまで待っていて欲しいなんて言えるわけがない。彼ほどの男性なら、その間にもっと素敵な女性を見つけるべきだろう。
でも、他の誰かとこのベッドで愛し合うなんて想像したくもない。
「今日から一緒に暮らすのが現実的に難しいなら、まひるが来たくなった時に来なさい」
答えを探している間に、彼が先に返事をくれた。
ホッとした反面、穏やかだった表情が幾分か冷たくなった気がして、心は不安に染められていく。
「いいんですか?」
「そうしたいって、お前が言ったんだろ」
彼はそう言うと、寝室を出て行った。
愛されている時間で、何度か腕を回してつかまったその背中は、手のひらで感じていたよりもずっと広くて雄々しく、滑らかな肌艶をしていた。