秘密の恋は1年後

 ――日曜の朝は、雨上がりのすっきりした空が広がり、とても心地いい。
 八時過ぎに起きて窓を開け、リネン類の洗濯と掃除を済ませ、キッチンに立った。

 その間、尚斗さんもコンシェルジュに一週間分のYシャツのクリーニングを頼んでくれたり、ベッドサイドのシェードランプの電球を変えてくれている。

 家事は苦手みたいだけど、お願いすると嫌な顔をせずに手伝ってくれるので、いい旦那さんになるに違いない。

 ……なんて、幸せな妄想が朝から止まらないのは、これから近くにある駒沢公園でピクニックデートをするからだ。

 つい張り切ってしまって、半熟目玉焼きとベーコンのサンドウィッチ、たこさんウインナー、鶏の唐揚げ、海老と空豆のスティック春巻き、尚斗さんの大好物のポテトサラダ、野菜とチーズのピンチョスを作り終えたところ。
 あとは、カトラリー類と一緒に、丁寧に籐編みのバスケットに入れるだけだ。

 作り付けの収納棚に向かって精いっぱい背伸びをしていると、後ろからスッと長い腕が伸びてきた。

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