秘密の恋は1年後

「……これって」
「それで合ってたか?」

 丁寧に包装されていたものは、私がひと目ぼれした赤いレザーのモバイルケースだ。


「合ってますけど……どうして?」
「欲しがってたからだよ。誕生日だし」
「それなら、もうもらいましたよ!?」
「プレゼントがひとつだって決まりはないだろ?」

 嬉しさを爆発させたいけれど、驚いてしまって彼を茫然と見つめる。


「なに?」
「……すごく嬉しいですっ! ありがとうございますっ!」

 運転している横顔にきゅんとしつつ、私を一瞥してふっと笑った彼に、また恋をしてしまいそう。
 プレゼントをしてもらったからじゃなく、こうして私を想って、いろいろとしてくれることが嬉しくてたまらない。


「尚斗さん、大好きです」
「……知ってるよ、バーカ」

 もっと好きになる自信はあるって宣言したけれど、一生誓いを立てられるくらいに彼が大好きだ。
 
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