秘密の恋は1年後
そう言われても、あまりいいイメージが浮かばない。
尚斗さんの人気は変わらず圧倒的だし、去年のバレンタインに告白した社員がいたことも知っている。
私よりもかわいい人はたくさんいるし、仕事だって効率よく成果を上げる社員が多い。
私は、私は……。
本当に、彼の奥さんとして認めてもらえるのだろうか。
祝福されるような結婚ができるのかな。
幸せな家庭を、彼と築いていけるかな……。
キッチンに佇んでいると、様子を察した彼が来て、ソファまで私の手を引いていく。
「泣きそうな顔するな。お前を守るのは誰だと思ってるんだ?」
「だって……私、変われたと思えなくて。料理や仕事とか、成果が目に見えることは頑張ってきたって思えることがあったけど、内面がまだまだ足りないところばかりで……」
優しく包み込むように、彼がそっと背中をさすってくれる。