秘密の恋は1年後
「尚斗さん、お話してなかったんですか?」
「うん、驚かせようと思ってさ」
どうやら、彼のいたずらで混乱させられていたようだ。
もしかして、この前女性を泣かせていたのを見かけたから、その仕返し?
「尚斗さんらしいけど、麻生さんを困らせちゃダメですよ?」
ムッとする間もなく、結衣さんが気持ちを代弁してくれた。
リビングに戻ってきた愛斗さんは、白いTシャツに紺色のカーディガンを合わせ、黒いパンツを履いていて、リラックスしているようだ。
「お待たせしました。麻生さん、どうぞこちらに座ってください。よかったら食事にしましょう」
「はい、いただきます」
結衣さんが用意してくださった食事は、和牛のサイコロステーキとトマトのペンネグラタン、和風コンソメスープ。盛り付けや彩りも完璧でどれも美味しそう。
だけど、ポテトサラダが山盛りで目を引いた。