秘密の恋は1年後

「尚斗さん、お話してなかったんですか?」
「うん、驚かせようと思ってさ」

 どうやら、彼のいたずらで混乱させられていたようだ。
 もしかして、この前女性を泣かせていたのを見かけたから、その仕返し?


「尚斗さんらしいけど、麻生さんを困らせちゃダメですよ?」

 ムッとする間もなく、結衣さんが気持ちを代弁してくれた。


 リビングに戻ってきた愛斗さんは、白いTシャツに紺色のカーディガンを合わせ、黒いパンツを履いていて、リラックスしているようだ。


「お待たせしました。麻生さん、どうぞこちらに座ってください。よかったら食事にしましょう」
「はい、いただきます」

 結衣さんが用意してくださった食事は、和牛のサイコロステーキとトマトのペンネグラタン、和風コンソメスープ。盛り付けや彩りも完璧でどれも美味しそう。
 だけど、ポテトサラダが山盛りで目を引いた。

< 40 / 346 >

この作品をシェア

pagetop