クールな社長の耽溺ジェラシー
「これからちょっと打ち合わせに行く」
「え、今から?」
「部下がミスったみたいだ。まだ時間あるし、送るから」
さっきまでの甘い雰囲気は消え、すっかり社長の顔になっている。キリリと引き締まった表情は責任感を風格があり、惚れ直すほどかっこよかった。
「せっかく来てくれたのに……あんまりゆっくりできなくて悪かったな」
「いえ、気にしないでください。仕事、頑張ってくださいね」
「ああ。……いいな、こういうの」
社長の顔がちょっとだけ甘さを帯び、唇に軽いキスをくれた。
マンションの前まで送ってもらい、お礼言って車から降りようとすると、もう一度「悪かった」と謝られたので首を振った。
「全然、気にしないでください。ご飯を食べられたし、送ってもらえたし……充分ですよ。私、新野さんを好きになってよかったです」
優しい眼差しや抱き締めてくれる腕、些細なキスに深いキス……そのすべてから新野さんに大切にしてもらえてるんだと実感している。
心からの気持ちを伝えると、新野さんが私の顎をすくいあげて唇を寄せた。