クールな社長の耽溺ジェラシー
「……こんなときにあおるなよ。あんまり我慢できる性格じゃないんだ」
「新野さんが? すごく我慢強そうに見えますけど」
答え終わるとまたすぐにキスで唇を塞がれた。
「物欲がないというか……あんまりほしいと思うものが少ないんだ。だから我慢を知らない。けど……いまは目の前に、ほしくてたまらないものがあるから」
夕の瞳が妖しく光り、どこか野獣の雰囲気が漂いだす。胸はドキリと跳ねると、ますます脈打ちだした。
「んっ……」
口づけられた唇を舌が割って入ってくる。私の様子をうかがうように舌を絡め取ると、優しく吸いあげられた。
「あー……まずいな、やめないと」
私から手を離すと、大きく息をはきだした。
「週末は空けておいてもらえると嬉しい。点灯式を見たあと……そのまま一緒に過ごさないか?」
「はい……」
いよいよ、まちなかライトアップの企画がはじまる。もしかしたら、それと同時に私と新野さんも新しい一歩を踏みだすのかもしれない。そう考えると胸がざわめいた。
落ち着かなくて瞬きを繰り返していると、そっと頬をなでられ、横髪を耳にかけられる。新野さんを見つめると熱っぽい視線を向けられ、体の芯が火照りだした。
「今度は帰さない」
「わ、わかっ……んっ……」
返事をする前に、キスで唇を塞がれてしまった。