クールな社長の耽溺ジェラシー


いままで無我夢中で頑張ってきたことが、やっと形になった。

それができるようになったのも、悩んだときに何度もやり直したらいいと教えてくれた夕のおかげだし、追いかける存在でいてくれた正司さんや広瀬さんのおかげでもある。

周りに恵まれている。遅くなったけど、気づけてよかった。

「全体を考えて設計したし、できあがりのイメージができていたはずだけど……やっぱり実際に見ると感慨深いものがあるね」

正司さんが嬉しそうに、光りに溢れた街並みを見渡す。メガネのレンズに光が反射し、笑顔がより輝いているようだった。

「いいですよね、照明って」

夜の世界地図を見たとき、日本は小さい面積にも関わらず眩しい光を放っていて、明るすぎると心配になったこともあったけど、やっぱりなくてはならないものだ。

式が終わってライトアップした場所を回っていると、関係者の人たちにも挨拶を終えた新野さんが私たちに追いついた。

「お疲れさまです。よかったですよ、挨拶。テレビでも放送されますから、また女性ファン増えますねー」

広瀬さんがニヤニヤとからかうけれど、新野さんは平然としていた。


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