クールな社長の耽溺ジェラシー
頬が熱く火照るのを感じてうつむこうとすると顎をすくいあげられる。
「なにを気にしてるんだか知らないけど、俺は小夏の全部がほしいんだ。だから……どんな顔も姿も見せてくれると嬉しい」
「夕……」
まっすぐな瞳に捕らえられ、目をそらすことも瞬きすらもできなくなる。
「小夏の一番に、俺はなれたか?」
「夕が一番だよ」
それ以外ないし、それしかない。
照明の一番になるのをいやがる夕でも、私の一番にはなりたいと言ってくれた。それがどんなに嬉しかったか、夕にちゃんと伝えたい。
「小夏の全部、俺にくれないか?」
「うん……」
ちゅっと音を立てて、触れるだけのキスをする。たったそれだけで心まで痺れていく。
「怖くなったら、言ってくれ」
「ん、わかった」
あえかにうなずくと、長い指で髪をすかれ、ワンピースの背中のファスナーを下ろされた。
空気がすっと中へ入り込んできて、背筋が粟立つ。
いつもの空気じゃない、夕と一緒にいるときに感じる空気は特別温かく感じて、肌が敏感に反応した。
「……好きだ」
額をこつんと合せると鼻先を擦り合わせ、唇を塞がれる。ゆっくりとベッドへ押し倒されると、ワンピースを脱がされ、夕の指先が肌の上を滑りはじめた。
こんな風に誰かに触られるのも、宝物みたいに扱われるのも初めてで、くすぐったくてたまらない。でも、もっと大切にされたいし、返したい。
服を脱がされ、裸になった夕に抱き締められると重ねた肌の熱さから、どれだけ愛されているのかが伝わってくる。
「夕っ……好き……」
想いを告げる声に自然と熱が帯びる。
私に微笑みかける夕の瞳はとろけそうなほど甘くて、体の奥がじんと痺れた。首に腕を回して抱きつくと、夕をより近くに感じて幸せに溺れた――。