クールな社長の耽溺ジェラシー
「……明日から出張だが週末には帰る」
体を反転させ、私をじっと見つめる。出張の連絡は昨日もらっていた。
地方にある庭園のライトアップをすることになったらしく、大橋さんと行くとも聞いていた。
今夜一緒に食事でもできればよかったけれど、私に打ち合わせが入っていて、夕も朝が早いようなので、本当なら会わずに出発する予定だった。
ここで会えて嬉しい。ちょっと……恥ずかしい思いもしたけれど。
「頑張ってきてね」
夕の頑張る姿は私だけじゃなくて、一緒に働く人の励みにもなる。うなずき、しばらく見つめていると広瀬さんがげんなりとした様子で口を開いた。
「……あの、胸やけしそうなんでそろそろ会社戻っていいですか?」
「俺はもう少し見ていられますけど」
いつの間にか広瀬さんの隣に立っていた大橋さんは、私たちを楽しげに眺めていた。
「見せもんじゃない。……それじゃ、小夏……週末に」
「いってらっしゃい」
大橋さんと一緒に去っていく夕の背中をしばらく見送る。……私も、仕事頑張ろう。