美魔王さまと結婚したなら
「夏美も考えたね?夏美の滅多にないお願いなら、父さん喜んで聞いて一時はベビーが頭から離れると思うよ」
クスクス笑う義兄ジェイドに、私は苦笑しつつ返す。
「だって、コレ見てよ?」
私はとある一部屋に押し込まれまくりの赤ちゃん用品の山をカメラに写して見せる。
「これ、全部お腹のベビー用なのか?」
画面の向こうでジェイドも思わず絶句する。
「そうよ…。世界各国で目については買って送ってきた誰かさんが居て。それ以外にも我が家の周りは私のベビーフィーバーでさっちゃんもいっちゃんにレンちゃんに由香里まで服や玩具を買ってくるんだから…」
ため息混じりに言えば、ジェイドも流石にこの量を見て理解したようで
「この先日本に戻るまでは父さんと一緒だから。買うの阻止は難しいけど、量は減らすように助言するよ」
「そうしてくれると、すごく助かる」
私が安堵して言えば、ジェイドは笑って返した。
「みんなが夏美とアキラのベビーを待ってるんだね!これは二人は幸せだね」
「そうだね。みんなに既に喜ばれてるなんて幸せだね」
私はお腹を撫でながらそう返した。