生徒だけど寮母やります!3
私の寮母生活15 〜謹慎明けの謹慎生活〜
謹慎します!
「えーっ!せっかく斎藤2weeksも終わってBに戻ってきたのに、朝から何がそんなに忙しいんスか」
朝食のコーヒーを片手に咲夜が不満そうな声を上げると
「過労死する前に斎藤とか斎藤に仕事全部押し付けろよ」
と、最後の一口だったパンを飲み込んだライが適当な提案をする
「いや、2週間も休んだのに過労死なんかしないってば」
景が苦笑いしながらダイニングテーブルの自分の席に置いてあったリュックを掴むと、朝食が終わりかけの2年生男子たちは顔色を変えて彼女を見た
「景ちゃん、どっかいくの!?」
さっきここに来たばっかじゃん、と言いたげに尋ねる結斗
景は「うん」と軽く頷く
「どこ」
それまで会話には口を出さず黙々とパンを食べていた爽馬にも尋ねられ、景は躊躇いなく「男子寮A」と答えた
あっけらかんとした言い方からして、まるで「友達の家」のノリである
「男子寮.....男子寮なんだって?」
「Aだって」
「AかBしかねえだろ」
何やら嫌な予感がした市河が、コーヒーを啜る咲夜を背後からいじりつつ聞き返すと、結斗が答えライが突っ込む
「「でもなんでまた......」」
彼らの疑問に、景は微妙な表情で首を傾げた
「分かんないけど、何か男子寮Aの子が1人こっちに来るんだって。2週間くらい。だからその人を迎えに.....」
その場にいた2年生の全員は“2週間”という長さに、最近も似たことがあったような、どこか思い当たる節を感じて、「何で?」という言葉を飲み込んだ
だからだろうか
「「そっか.....いってらっしゃい?」」
「いってきます!」
それ以上は誰も何も聞かなかった
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